労働者派遣(人材派遣)の形態の一つ。労働者は派遣元(派遣会社)への登録を行っておき、労働契約は派遣先への就労が決まったときに初めて結ばれる。派遣期間が労働契約期間になるため、派遣終了とともに派遣元との労働契約も終わり、登録状態に戻る。短期間、あるいは短時間の派遣が多いため、継続雇用を前提とする社会保険や年次有給休暇などの権利については不利である。収入が不安定になりやすく、複数の派遣会社に登録し、就労時間を増やそうと試みる者が多いが、仕事の有無は景気の動向に左右されやすい。2008年(平成20)のリーマン・ショック後には、とくに自動車や電気製品の工場で働いていた派遣労働者が大規模な「派遣切り」に直面した。
派遣形態にはほかに常用型派遣がある。派遣会社と労働者が期間を定めない労働契約を結ぶもので、システムエンジニア、デザイナー、設計者などの有資格者を派遣する会社で人材確保のため行われることが多い形態である。派遣期間終了後も派遣会社との契約が継続するため、社会保険や年次有給休暇なども一般労働者と同様に保障される。しかし派遣先が決まらないまま一定の期間を過ぎれば、自主退社を促されることが多く、常用とはいえ安定的な雇用形態というわけではない。
[編集部]
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