白太夫(読み)しらたゆう

精選版 日本国語大辞典 「白太夫」の意味・読み・例文・類語

しらたゆう しらタイフ【白太夫】

[1] 菅原道真に仕えたという老僕の名。浄瑠璃天神記」や「菅原伝授手習鑑」などに菅丞相忠僕として登場。
[2] 〘名〙 人形かしらの一つ。「菅原伝授手習鑑」の白太夫から出た名。頬と口元特色があり、田舎の律義な好々爺(こうこうや)性根。ごま塩の髪で、乱れたふき眉。目の動きはなく、塗りは薄卵色。〔楽屋図会拾遺(1802)〕

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「白太夫」の解説

白太夫 しらだゆう

浄瑠璃(じょうるり)「菅原伝授手習鑑(てならいかがみ)」の登場人物。
松王丸,梅王丸,桜丸の父。菅丞相(かんしょうじょう)(菅原道真(みちざね))につかえ,死後もその霊を守護した忠義心のあつい農民。北野太宰府(だざいふ)の天満宮にまつられる。別に白太夫は伊勢神宮の神職度会(わたらい)春彦のことで,道真の死をみとったという伝承もある。

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世界大百科事典(旧版)内の白太夫の言及

【百太夫】より

…平安末期以降,漂泊の遊女および傀儡(くぐつ)(人形まわし)らの集団が,共同体の守護神として尊崇した神の名。百神,白太夫(はくだゆう)というのも同じ神と思われる。百太夫は地位の低い小祠の神で,道祖神の一名ともいわれる。…

※「白太夫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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