第一生命保険(読み)だいいちせいめいほけん

共同通信ニュース用語解説 「第一生命保険」の解説

第一生命保険

1902年に国内初の相互会社生保として創業。2010年4月に株式会社に組織変更し東京証券取引所に上場し、ことし10月に持ち株会社に移行する予定みずほフィナンシャルグループとの関係が深い。生保業界では早くから海外展開を加速し、オーストラリアベトナムなどに進出。昨年2月には米中堅生保のプロテクティブ生命を子会社化した。15年3月期の連結保険料等収入は5兆4327億円だった。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「第一生命保険」の意味・わかりやすい解説

第一生命保険(株)
だいいちせいめいほけん

生命保険大手の一つ。保険業法の起草にかかわり農商務省初代保険課長となった矢野恒太(つねた)が1902年(明治35)設立。日本最初の相互組織による生命保険会社であったが、2010年(平成22)4月、組織形態を相互会社から株式会社に変更した。創業後、業績は着実に伸び、1921年(大正10)には明治生命保険(現明治安田生命保険)、帝国生命保険(現朝日生命保険)などと並んで五大生保の一つとなった。さらに1941年(昭和16)統制経済進展に伴って昭和生命保険の保有契約を包括移転。第二次世界大戦後は、本社屋のGHQ(連合国最高司令部)による接収などもあったが、1947年(昭和22)金融機関再建整備法により新しく基金を設定して再出発、保険種類の多様化、新分野の開拓を進めつつ堅実に成長、住宅開発など不動産投資も積極的に行った。1968年本社(東京都千代田区有楽町)の一部を神奈川県足柄上(あしがらかみ)郡大井町に移転した。収入保険料2兆8372億円、総資産30兆8224億円(2010)。

[田付茉莉子]

『第一生命保険相互会社編・刊『第一生命七十年史』(1972)』『第一生命保険相互会社編・刊『第一生命100年の歩み』(2002)』『第一生命保険相互会社編・刊、日本経営史研究所監修『第一生命百年史』(2004)』

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百科事典マイペディア 「第一生命保険」の意味・わかりやすい解説

第一生命保険[相互会社]【だいいちせいめいほけん】

独立系の生命保険会社。日本生命保険に次ぎ業界2位。1902年農商務省の初代保険課長を退官した矢野恒太〔1865-1951〕が,第一生命保険を設立。100年の歴史を持つ日本初の相互会社組織の生命保険会社として知られる。第1次大戦後,大きく業績を伸ばし,1920年代に五大生保,1930年代に業界2位の地位を確かなものした。終戦後,本社社屋がGHQに接収されるが,順調に業容を拡大。ATM(現金自動預入支払機)の充実に力を注ぎ,設置台数は業界最高水準を誇る。1996年に改正施行された保険業法と1998年に施行された金融システム改革法に対応して1998年日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)と全面業務提携。2000年には安田火災海上保険(現損保ジャパン)と包括業務提携を結び,さらにアメリカンファミリー生命保険とも業務提携し,事業環境変化に取り組む積極的な経営を示している。本社東京。2003年9月中間総資産32兆2978億円,2011年3月期保険料等収入3兆3124億円。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「第一生命保険」の意味・わかりやすい解説

第一生命保険
だいいちせいめいほけん

生命保険会社。1902年矢野恒太を中心に日本最初の相互組織の生命保険会社として創立された。1932年に保有契約数高で 10億円を突破して,日本生命保険に次ぐ業界第2位となった。1941年昭和生命の契約を継承。第2次世界大戦後の 1947年,金融機関再建整備法に基づき,基金を増額して新発足した。1968年の本社機能の大井本社(神奈川県足柄上郡大井町)への一部移転は企業の都会脱出第1号として話題となった。2010年には相互会社から株式会社に転換し,第一生命保険株式会社となった。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「第一生命保険」の解説

第一生命保険

正式社名「第一生命保険株式会社」。略称「第一生命」。英文社名「The Dai-ichi Life Insurance Company, Limited」。保険業。明治35年(1902)日本で最初の相互会社組織を採用し、「第一生命保険相互会社」として設立。平成22年(2010)株式会社に組織変更。本社は東京都千代田区有楽町。生命保険業。大手生命保険会社の一角。東京証券取引所第1部上場。証券コード8750。

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