総務省設置法によって設置された国の行政機関。2001年(平成13)1月の中央省庁再編に伴い、総務庁、自治省、郵政省が再編統合されて誕生した。同省は、内閣官房や内閣府と同様に内閣総理大臣の補佐機能を担う省であるとともに、国家行政組織法に定められた「国の行政組織」の一つであり、他の省と同格の位置づけを与えられている。
総務省は、行政の基本的な制度の管理および運営、地方自治の本旨の実現、自立的な地域社会の形成、国と地方公共団体相互間の連絡協調、情報の電磁的方式による円滑な流通の確保、電波の公平かつ能率的な利用の確保、郵政事業の適正かつ確実な実施の確保、公害に係る紛争の解決、他の行政機関の所掌に属しない行政事務、および法律で総務省に属させられた行政事務を遂行することなど、広範な任務を担う。
その所掌事務は、国家公務員に関する制度の企画・立案、中央人事行政機関たる内閣総理大臣の所掌する事務についての内閣総理大臣の補佐、行政機関の機構等に関する企画・立案および調整、政策評価に関する基本的事項の企画・立案、各府省の政策についての政策評価、各行政機関の業務の実施状況の評価・監視、地方自治および民主政治の普及、国と地方公共団体および地方公共団体相互間の連絡調整、地方自治に影響を及ぼす国の施策の企画・立案、地方公務員に関する制度の企画・立案、選挙制度に関する企画・立案、電気通信事業および放送業の改善および調整、郵政事業に関する事務、郵便貯金管理業務および簡易生命保険管理業務に関する事務、信書便事業の監督、消防行政に関する事務などである。
長は総務大臣であり、中央省庁再編に伴い、大臣のリーダーシップを補佐するものとして、総務副大臣、総務大臣政務官という特別の職が新たに設置された。内部部局には、大臣官房のほか、行政管理局、行政評価局、自治行政局、自治財政局、自治税務局、国際戦略局、情報流通行政局、総合通信基盤局、統計局、政策統括官(統計基準担当、恩給担当)が置かれている。外局には、公害等調整委員会、消防庁が置かれる。なお、外局として郵便、簡易生命保険、郵便貯金の郵政三事業の事業および業務を担っていた郵政事業庁は、2003年(平成15)4月1日発足の国営公社「日本郵政公社」に引き継がれ、さらに2007年10月1日郵政民営化に伴い日本郵政グループに移管された。
このほか、地方財政審議会、国地方係争処理委員会、情報通信審議会などの審議会等、自治大学校、情報通信政策研究所、統計研究研修所、消防大学校などの施設等機関、中央選挙管理会、政治資金適正化委員会、自治紛争処理委員などの特別の機関、管区行政評価局、沖縄行政評価事務所、総合通信局などの地方支分部局が置かれている。
[山田健吾 2018年5月21日]
『米盛康正著『総務省名鑑』各年版(時評社)』▽『総務行政広報センター編・刊『総務省ポケットガイドブック』各年版』
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