総統(読み)そうとう

精選版 日本国語大辞典 「総統」の意味・読み・例文・類語

そう‐とう【総統】

〘名〙
全体をすべくくること。また、その職や人。
※布令必用新撰字引(1869)〈松田成己〉「総統 ソウトウ ノコラズヒキウケル」 〔漢書‐百官公卿表・上〕
中華民国国民政府の最高の官職名。
③ (Führer訳語) ナチスドイツの最高官職。大統領宰相党首権限を合わせた強大な権力をもち、ヒトラーがこの地位を占め独裁権をふるった。

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デジタル大辞泉 「総統」の意味・読み・例文・類語

そう‐とう【総統】

国政や軍事全体を統括すること。また、その官職。
中華民国政府の最高官職。中華人民共和国成立後は事実上台湾における最高指導者
大統領制を廃してヒトラー就任した、ナチス‐ドイツの最高官職。大統領・首相・党首を兼ねそなえた権限をもつ。フューラー(Führer)。

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普及版 字通 「総統」の読み・字形・画数・意味

【総統】そうとう

全体をまとめる。〔三国志、蜀、諸亮伝〕是(ここ)に於て、亮を以て右將軍と爲し、丞相の事を行はしむ。統するの如し。

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旺文社世界史事典 三訂版 「総統」の解説

総統
そうとう
Führer

ナチス−ドイツにおける最高主権者。首相と大統領とを兼ねた地位。「フューラー」
1934年,ヒンデンブルク大統領の死を機にヒトラーがこの地位に就任。イタリアムッソリーニは,国王の下における首相で,ヒトラーとは地位が違っていた。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「総統」の解説

総統(そうとう)

フューラー

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世界大百科事典(旧版)内の総統の言及

【第三帝国】より


[政治史,外交史]
 〈第三帝国〉の政治史,外交史は四つの時期に分けて考えられる。第1期は,第三帝国の確立期であって,ヒトラー内閣成立から1934年8月2日のヒトラーの〈総統Führer〉(大統領と首相職の一体化)就任までである。この時期に,内政面ではまず社会民主党,共産党ならびに労働組合の解散が強行され,その他自由主義政党,保守主義政党も〈自発的解散〉に追い込まれて(いわゆる〈強制的同質化(一元化)Gleichschaltung〉),早くも33年7月14日には政党新設禁止法が公布される。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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