デジタル大辞泉 「縕袍」の意味・読み・例文・類語 おん‐ぽう〔ヲンパウ〕【×縕×袍】 《「おんぼう」とも》綿入れ。どてら。ぬのこ。また転じて、粗末な着物。わんぼう。「破れたる―を着て母に逢ひ」〈柳多留・一〇〉 わん‐ぼう〔‐バウ〕【×縕×袍】 《「わんぽう」とも》「おんぽう(縕袍)」に同じ。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「縕袍」の意味・読み・例文・類語 どてら【縕袍・褞袍】 縕袍〈浮世床〉〘 名詞 〙 普通の着物よりもやや長く大きめに仕立て、綿を入れた広袖のもの。防寒具または寝具として用いる。縕袍布子。丹前。《 季語・冬 》[初出の実例]「しぐれ山崎傘を舞〈其角〉 笹竹のどてらを藍に染なして〈芭蕉〉」(出典:俳諧・虚栗(1683)下) おん‐ぼうヲンバウ【縕袍】 〘 名詞 〙 ( 「おんぽう」とも ) 綿を入れた着物。綿入れ。どてら。[初出の実例]「季路縕袍、不レ耻二狐狢之麗服一」(出典:本朝文粋(1060頃)二・意見十二箇条〈三善清行〉)「それ君子は、いやしきにおれども、いやしからず。をんはうを着ても恥ぢず」(出典:仮名草子・伊曾保物語(1639頃)上)[その他の文献]〔論語‐子罕〕 わん‐ぼう‥バウ【縕袍・褞袍】 〘 名詞 〙 ( 「おんぼう(縕袍)」の変化した語 ) 綿入れの着物。また、粗末な衣類。人をののしって、その衣服をいうのにも用いる。うんぽう。わんぼ。[初出の実例]「まゑまゑの守護たちはきぶう年貢をもをもうしてとらしますほどに一まいわんぼうさゑなかったぞ」(出典:玉塵抄(1563)一五) わん‐ぼ【縕袍】 〘 名詞 〙 =わんぼう(縕袍)[初出の実例]「いづくの女郎めがわんぼぞと、せめとがめければ」(出典:咄本・私可多咄(1671)五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例