船祭(読み)フナマツリ

デジタル大辞泉 「船祭」の意味・読み・例文・類語

ふな‐まつり【船祭(り)】

飾りたてた船の出る祭り総称御輿みこしを船に乗せて川や海を渡御するものが多い。茨城県鹿島神宮御船祭おふねまつり、愛知県津島神社津島祭など。

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精選版 日本国語大辞典 「船祭」の意味・読み・例文・類語

ふな‐まつり【船祭】

  1. 船祭〈日本山海名物図会〉
    船祭〈日本山海名物図会〉
  2. 〘 名詞 〙 神体船霊依代(よりしろ)神輿などを船に乗せて海や川を渡る祭礼。たとえば大阪市北区にある天満宮の祭礼。七月二五日(陰暦六月二五日)に神輿を船で御旅所へ渡御する。天満祭天神祭。また、東京深川八幡宮の深川祭で、八月一五日(陰暦一四日)に、神輿を船に乗せて木場を渡御する行事。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「天満の舟祭(フナマツ)りが見ゆるこそ幸はひなれ」(出典浮世草子世間胸算用(1692)二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「船祭」の意味・わかりやすい解説

船祭
ふなまつり

飾りたてた船の出ることを特色とする祭りの総称。いちばん一般的な形は、神輿(みこし)の渡御(とぎょ)(お渡り)が海や川を渡るもので、神社から神霊を神輿に移し、さらに船に乗せて、町や集落を巡幸して氏子恩寵(おんちょう)を授ける。茨城県鹿島(かしま)神宮の御船(おふな)祭りや愛知県津島神社の津島祭りなど、各地に類例が多い。なかには千葉県香取(かとり)神宮の神幸(じんこう)祭や山梨県神部(みわべ)神社の舟引祭りのように、祭神が舟に乗って来臨したとか、海から漂着したという伝承に基づき、その故事を再現するという理解のもとに行われるものもある。そのほか神奈川県箱根神社の湖水祭や、長崎県各地に行われる竜神祭のように、海神や水神供物を捧(ささ)げるために、舟に人が乗ってこぎ出す形もある。いずれにしても船祭には、祇園(ぎおん)、天王(てんのう)など夏の水神祭りに行われるものが多い。春の祈念祭や秋の収穫祭に対して、夏祭りは初夏の防災除疫の意味合いをもっており、きらびやかな出し物や華やかな飾り付けをする風流(ふりゅう)的な発展を遂げたものが多い。したがってしばしば観光行事化し、また観光地の人寄せ手段に利用される場合もある。

[井之口章次]


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百科事典マイペディア 「船祭」の意味・わかりやすい解説

船祭【ふなまつり】

神体や神輿(みこし)を船にのせ,水上で行う祭。御船祭とも。神が海のかなたの常世(とこよ)の国に住み,人間の世界との間を往来したという古い信仰に基づくものと思われる。鹿島神宮塩竈神社の御船祭,厳島(いつくしま)神社の管弦祭などがその代表例。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「船祭」の意味・わかりやすい解説

船祭[真鶴]
ふなまつり[まなづる]

「貴船祭[真鶴]」のページをご覧ください。

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