日本大百科全書(ニッポニカ) 「資生堂」の意味・わかりやすい解説
資生堂(株)
しせいどう
最大手の化粧品メーカー。1872年(明治5)海軍病院薬局長を辞した福原有信(ゆうしん)(1848―1924)が東京・銀座に開業した資生堂薬局が始まり。1897年化粧水を発売して化粧品業へ進出。1915年(大正4)息子の信三が経営者となって以来、主力を化粧品へ転換し、23年には業界最初のボランタリー・チェーン・ストア制を採用して販売力の強化を図ると同時に、PR誌『花椿(はなつばき)』を発刊して消費者を組織化した。現在、化粧品、ファインケミカルなどを製造、販売。
資本金645億円(2008)、売上高7235億円(2008。連結ベース)。国内の4工場をはじめ、海外にさまざまな研究開発拠点をもつ。多数の関係会社があり、また海外にも広く知られ、欧米をはじめ数十か国に進出している。
[森 真澄]
『資生堂編・刊『資生堂百年史』(1972)』▽『小宮和行著『パリ発資生堂グローバル・ブランドへの挑戦』(1993・実業之日本社)』▽『島森路子著『銀座物語――福原義春と資生堂文化』(1996・毎日新聞社)』▽『浅利茂樹著『美粧の座標――資生堂大船工場物語』(2004・求竜堂)』