防衛力の整備や運用などに関し、政府が今後10年程度を見越して定める基本指針。1976年に初めて策定され、95年、2004年、10年、13年に改められた。17年8月に安倍晋三首相が小野寺五典防衛相(当時)に、通例の改定期間を前倒しする形で見直しを指示していた。別表で明示する陸海空各自衛隊の主要装備数の概要を基に「中期防衛力整備計画(中期防)」で5年ごとの計画を示す。現行の中期防は14~18年度分。
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(田岡俊次 軍事ジャーナリスト / 2007年)
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日本の安全保障の基本方針、それに基づく自衛隊の具体的な役割、主要装備の整備目標の水準を示す防衛力の基本指針。国家安全保障会議が策定する。
[編集部]
… なお,この指針は日米両国政府によって見直し作業が行われ,97年9月末に最終報告の形で結論を得て,平素からの,および緊急事態における日米おのおのの役割ならびに相互間の協力および調整のあり方について,一般的な大枠と方向性を示すものとなった。このほか,95年11月に定められた〈平成8年度以降に係る防衛計画の大綱(新大綱)〉では,自衛隊の主たる任務である〈我が国の防衛〉に〈大規模災害等各種事態への対応〉および〈より安定した安全保障環境の構築への貢献〉が加わった。
[編成]
1997年9月現在,人員約5万人,作戦用艦艇約150隻,作戦用航空機約200機などを保有し,これらの艦艇,航空機は,自衛艦隊,五つの地方隊などに配備されている。…
… 次に,内閣は,国会に提出する法律案や予算案を決定し,防衛にかかわる重要な方針や計画を決定する。内閣にはまた,国防に関する重要事項を審議する機関として安全保障会議が置かれ,防衛計画の大綱,防衛出動の可否等国防に関する重要事項を審議する。
【防衛力整備】
自衛隊の防衛力整備は,第1次から第4次にわたる防衛力整備計画を経て,1977年度以降1995年度までの間は,防衛のあり方の指針として策定された〈防衛計画の大綱〉(以下,大綱という)に従い,85年度までは中期の防衛力整備の見積りである中期業務見積り(以下,中業という)を参考として,それ以降は中期防衛力整備計画(以下,中期防という)に従って,大綱に定められた防衛力の水準の達成を目標に進められた(表1)。…
…これに対して日本の防衛関係費の範囲は,一応のコンセンサスがある基幹的な部分だけに狭く局限されている。また1976年に,〈防衛計画の大綱〉とワンセットの形で,国防会議・閣議の決定として,防衛関係費は〈当面,各年度の総経費がGNPの1%を超えないことをめどとする〉こととなった。それが日本の軍事大国化に対する歯止めとして一定の役割を果たしてきた点は否めないが,欧米並みの基準でいけば早くから対GNP比1%の枠を突破していた事実も同時に承知しておかなければなるまい。…
※「防衛計画の大綱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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