高福祉高負担(読み)こうふくしこうふたん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「高福祉高負担」の意味・わかりやすい解説

高福祉高負担
こうふくしこうふたん

社会保障の規模を示す考え方で、税負担を重くして福祉予算を手厚くする政策スウェーデンノルウェーなど北欧諸国は社会民主主義政権であり、社会主義国のような高福祉高負担政策が定着している。この対極にあるのがアメリカで、共和党が主張する「小さな政府」政策が「低福祉低負担」を求めており、これが社会保障政策の根幹になっている。民主党のオバマ政権が医療福祉制度の充実を目ざしているが、共和党の反対により難航しているのもそのためである。日本では小泉純一郎政権時代に、アメリカのレーガン政権、イギリスのサッチャー政権にならった「小さな政府」を目ざしたものの、社会保障予算の削減に手をつけることはできなかった。2008年(平成20)に麻生太郎(あそうたろう)政権は社会保障水準を維持するためには伝統的な「中福祉小負担」から「中福祉中負担」への移行が必要と宣言し、その後の消費税増税へとつながった。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む