《アイスランド人の書》(読み)あいすらんどじんのしょ

世界大百科事典(旧版)内の《アイスランド人の書》の言及

【アリ・ソルギルスソン】より

…名家の出で,聖職者としての教育を受けた。現存する作品は小冊の《アイスランド人の書Íslendingabók》(1133年以前に成立,ラテン語名Libellus Islandorum)で,信頼に足る情報によって実証的におおよそ870‐1120年の歴史(アイスランド植民,社会機構の確立,グリーンランド植民,キリスト教の到来)を,決して無味乾燥でない文章で簡潔に要約する。同書にはいっそう大きな異版のあったことが明らかだが,伝存しない。…

【サガ】より

…(1)宗教的学問的サガ,(2)王のサガ,(3)アイスランド人のサガ,(4)伝説的サガ。 〈宗教的学問的サガ〉はアイスランド植民の最も正確な記録で,キリスト教改宗以前の北欧の伝統的な生活形態をそっくり移した植民者の信仰,文化を生き生きと伝えてくれる《植民の書》,アリ・ソルギルスソン(1068‐1148)の870年から1120年までのアイスランド略史《アイスランド人の書》,キリスト教改宗を扱った《キリスト教徒のサガ》,ストゥルルング一族をはじめとするアイスランド豪族社会末期の諸豪族の血で血を洗う抗争を描いた歴史《ストゥルルンガ・サガ》を含んでいる。 〈王のサガ〉の舞台はアイスランドの国外で,主としてノルウェーやデンマークの王侯の事跡を扱っている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」