《アネーカーンタジャヤ・パターカー》(読み)あねーかーんたじゃやぱたーかー

世界大百科事典(旧版)内の《アネーカーンタジャヤ・パターカー》の言及

【ハリバドラ】より

…さらに他学派の教義にもきわめて造詣が深く,いずれの学派にも偏することなく真理のみを尊重するとの立場を標榜して,仏教,ニヤーヤ,サーンキヤその他の諸学派の教義を《シャッダルシャナ・サムッチャヤ》(6学派の哲学の集成)の一書にまとめ,また仏教のディグナーガ(陳那(ぢんな))の《ニヤーヤ・プラベーシャ(因明入正理論(いんみようにつしようりろん))》に対する注釈書も著した。しかし彼が仏教のダルマキールティ(法称)とその系統の思想に対してだけは批判的で,《アネーカーンタジャヤ・パターカー》を著してその思想を手厳しく批判したことは注目される。同書は仏教思想史の研究の上で,その資料的価値は高いと思われる。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」