《アポクシュオメノス》(読み)あぽくしゅおめのす

世界大百科事典(旧版)内の《アポクシュオメノス》の言及

【ギリシア美術】より

…パロス島出身のスコパスは,《ポトス(あこがれ)》や《狂乱のマイナス》などの作品で人間の激しい内面的感情の高まりを表すことに成功した。アレクサンドロス大王の宮廷彫刻家であったリュシッポスは大王のほか多数の肖像を作り,また競技選手を表した《アポクシュオメノス》では,大胆に彫像の前後の奥行き空間を表現している。 前4世紀末のアレクサンドロス大王の遠征の結果,彫刻の中心地はギリシア本土から,ロドス島,ペルガモン,アレクサンドリア,アンティオキアなどの東方に移った。…

【リュシッポス】より

…鋳像を得意とし,大王の各種の肖像をはじめ多数の作品を制作したと伝えられるが,確実に彼のものといえる原作はのこされていない。1849年トラステベレで発見された,身体についた汗やほこりをストリギリスという道具で搔き落としている運動選手を表した大理石像は,ローマ帝政時代初期にアグリッパの浴場の前に据えられていたと伝えられるリュシッポスの青銅像《アポクシュオメノス(搔き取る人)》のローマ時代の模刻だとみなされている(バチカン美術館)。この像は,古代人が〈小さな頭とほっそりした体軀〉と評したリュシッポスの彫像の特徴を示している。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」