《イーゴリ公》(読み)いーごりこう

世界大百科事典(旧版)内の《イーゴリ公》の言及

【イーゴリ軍記】より

…少数意見ながら偽作説がある。なお,ボロジンの歌劇《イーゴリ公》は,この物語に取材したものである。【中村 喜和】。…

【バレエ・リュッス】より

…また当時ロシアのみに保たれていた厳格な古典舞踊教育機関(ペテルブルグ帝室マリインスキー劇場舞踊学校)の養成したA.パブロワT.P.カルサビナニジンスキーの演技はパリの観衆に熱狂的に迎えられた。さらにボロジンのオペラ《イーゴリ公》第2幕における男性舞踊手群の勇壮な戦士の踊りが,この公演を決定的なものとした。この成功によりディアギレフはパリの芸術社会で注目を浴び,多くの才幹がその周囲に集まったばかりでなく,バレエ・リュッスの作品に進んで協力することになった。…

【ボロジン】より

ロシア国民楽派の一人で,リストの紹介により五人組の中でも早くからヨーロッパで知られていた。民族叙事詩によるオペラ《イーゴリ公》(未完。のちリムスキー・コルサコフグラズノフにより完成。…

【ロシア国民楽派】より

…グリンカの抒情的旋律と色彩的管弦楽法,ダルゴムイシスキーの叙唱を重視するリアリズムの手法は,彼らの表現手段の基礎になった。オペラの分野ではムソルグスキーの《ボリス・ゴドゥノフ》(1869)と《ホバンシチナ》(1880),A.P.ボロジンの《イーゴリ公》(1890初演),リムスキー・コルサコフの《雪娘》(1881)や《サトコ》(1896)などがあるが,大衆の場面に重要な意味を与えた点に独自な劇作法を指摘できる。 管弦楽の分野では絵画性と風俗描写などを特徴としてあげることができるが,ボロジン(二つの交響曲と交響詩《中央アジアの草原にて》(1880)など)とバラーキレフ(《三つのロシアの歌の主題による序曲》(1858),交響詩《タマーラ》(1882)と《ルーシ》(1887)など)はロシア管弦楽の確立者の一翼をになっているし,リムスキー・コルサコフ(《スペイン奇想曲》(1887),《シェエラザード》(1888)など)の色彩豊かな管弦楽法はロシア音楽の古典になった。…

※「《イーゴリ公》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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