世界大百科事典(旧版)内の《エミールと探偵たち》の言及
【ケストナー】より
…しかし,彼の本質は啓蒙的であるが未来性を欠く知識人の憂鬱と絶望にあり,〈左翼メランコリー〉(ベンヤミン)という批判も受けた。彼を著名にしたのは,むしろ《エミールと探偵たち》(1928)に始まる児童文学で,彼の啓蒙性はそこではプラスに働いて愛とユーモアに結びついている。1933年に児童物以外の作品をナチスにより焚書にされたとき,国外から帰国してそれを目撃,そのまま国内にとどまり2度の逮捕も切り抜けて,ユーモア小説や児童文学などの分野で文筆活動を続けた。…
※「《エミールと探偵たち》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」