世界大百科事典(旧版)内の《ギリシア神話》の言及
【アポロドロス】より
…著述は多岐にわたるが,(1)トロイア戦争(前1184)から前144年までの歴史を編年体の詩文でつづった《年代記》,(2)合理主義的見地から古代ギリシア宗教を論じた《神論》,(3)古代の文学作品における地理歴史的言及についての批判研究,(4)エピカルモスならびにソフロンの作品注釈,(5)《古語注解》など。彼は《書架》と題する著作でギリシア神話の大成を遂げたとされるが,今日同名の題で伝わる《ギリシア神話》はローマ帝政期の編纂に成るもので,彼の作ではない。しかし古代の詩人・文人の作品を素材として,天地誕生から神々の系譜,英雄たちの事跡を包括的に記述した《ギリシア神話》は,伝存する最も詳細な散文要約であり,またその基本構成の一部はアポロドロス自身にまでさかのぼるものかもしれない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」