《ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン》(読み)はいんりひふぉんおふたーでぃんげん

世界大百科事典(旧版)内の《ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン》の言及

【青い花】より

…ドイツ・ロマン派のノバーリスの小説《ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン》(未完,1802発表,邦訳名《青い花》)の冒頭で主人公ハインリヒが見る〈青い花〉の夢に由来する語。〈青い花〉の形姿は少女マティルデの形姿と重なり,同時に生と死を超越する〈永遠なるもの〉を暗示する。…

【教養小説】より

…また,ヘルダーリンの《ヒュペーリオン》(1797,99)の主人公は,自由な個人の存在を可能にする理想の国家の実現をめざしてギリシア独立戦争に参加しながら,戦争の現実に絶望して隠者となり,自然の美しさのなかにわずかな慰めを見いだす。また,ノバーリスの《ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン》(1802,邦訳名《青い花》)は〈期待〉と〈実現〉の二つの部分からなるが,〈実現〉は未完のままで終わっている。これらの教養小説は,自己形成が既存の社会のなかでは不可能であることをその結末において示していることになるが,それだけでなく,《ウィルヘルム・マイスター》の〈遍歴時代〉や《ハインリヒ・フォン・オフターディンゲン》の〈クリングスオール・メルヘン〉の場合には,その構成がきわめて複雑にならざるをえなかったことが,主人公の自己形成の可能性を追求することの困難を告白しており,また《ヒュペーリオン》にはドイツの社会の現実に対する呪詛が書きこまれている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」