《俳諧物見車》(読み)はいかいものみぐるま

世界大百科事典(旧版)内の《俳諧物見車》の言及

【西鶴】より

…それらは,色欲や物欲のためにくりひろげられるさまざまな男女の悲喜劇を,話芸的方法で描いた短編小説集であるが,故事・古典のタネを今様にふくらませるしかたに俳諧性が感じられ,個々の話が主題への凝集性をもたず,人物,素材,話柄などの外枠によって集成され,著しく未完結的である点に前近代的な性格が認められる。 89年ころから俳壇に復帰,西鶴らの評点を笑いものにした《俳諧物見車(ものみぐるま)》(1690)への反論書《俳諧石車》(1691)の述作に情熱を燃やすなど,健在ぶりを示した。一方,散文の面では,92年名作《世間胸算用(せけんむねざんよう)》を制作,市井の片隅にうごめく無名の人々の生きざまを,大晦日の一日に限定して描いてみせ,作家西鶴の一つの到達点をうかがわせた。…

※「《俳諧物見車》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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