《八犬伝評判楼閣》(読み)はっけんでんうわさのたかどの

世界大百科事典(旧版)内の《八犬伝評判楼閣》の言及

【南総里見八犬伝】より

…浄瑠璃では,同年7月大坂の稲荷境内枡屋座《梅魁莟八総(はなのあにつぼみのやつふさ)》(12段,山田案山子作)は初日後日の両日上演で,ほぼ原作の筋に近い脚色である。江戸においては同年4月江戸森田座《八犬伝評判楼閣(うわさのたかどの)》(6幕,三枡屋四郎・宝田寿助ら作)が初上演となり,犬塚信乃の生い立ちから古那屋までを中心に,犬坂毛野のくだりを大詰におき,伏姫・犬山道節のくだりを夢の場として十八番の《鳴神》(清元)に結んで四建目に付加したもので,大入りをとった。この江戸初演に際し,馬琴は〈江戸の芝居作者は負をしみにて,当今の読本抔(など)を狂言にいたし候事は甚(はなはだ)悪(にくみ)候〉云々と友人宛の書簡中に記しているが,この時代には小説を劇化することは,芝居作者の沽券(こけん)にかかわることとされていた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」