《因帰算歌》(読み)いんきさんか

世界大百科事典(旧版)内の《因帰算歌》の言及

【改算記】より

…《塵劫記》より後に出版されたので,《塵劫記》の解説という色合いが濃いが,内容が豊富で,亀井割,弾道,月塩知死後などの問題も含まれている。本書の名前は,《塵劫記》,今村知商の《因帰算歌(いんきさんか)》(1640),榎並和澄の《参両録》(1653)などの数学書の誤りを訂正するという意味でつけられている。《参両録》を非難するとともに,《塵劫記》の遺題を解き,さらに遺題11問を提出したことによって,遺題継承に拍車をかけた。…

【算術】より

…中国の《孫子算経》(六朝時代の書といわれている)にはキジとウサギで出されている。日本では,今村知商の《因帰算歌》(1640)にやはりキジとウサギで出ているのが,いちばん古いようである。ツルとカメになったのは,坂部広胖の《算法点竄指南録》(1810)が最初のようである。…

【竪亥録】より

…江戸時代の数学は,《塵劫記》と《竪亥録》という優れた2種類の教科書により出発したといってよい。今村は,その翌年に数学の公式をすべて歌になおしてまとめた《因帰算歌》を出版した。《竪亥録》は弟子の安藤有益により詳しく解説され,《竪亥録仮名抄》(1662)と題されて出版された。…

【和算】より

…今村自身のくふうも含まれている。その翌年,今村は短歌の形式で,公式集《因帰算歌(いんきさんか)》(1640)を出版し,初心者の要求にこたえた。41年,吉田は従来の《塵劫記》とは編集のしかたが違う小型3巻本の《塵劫記》を出版し,巻末に世間の数学者に挑戦する問題12問を付した。…

※「《因帰算歌》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」