《安宅松》(読み)あたかのまつ

世界大百科事典(旧版)内の《安宅松》の言及

【長唄】より

…この時期の長唄唄方には坂田兵四郎,初世松島庄五郎,初世吉住小三郎,三味線方には7代目杵屋喜三郎,初世杵屋新右衛門,初世杵屋弥三郎,初世杵屋忠次郎,囃子方には宇野長七などがいる。明和期(1764‐72)になると,一中節の太夫から転向した初世富士田吉次(治)によって長唄に浄瑠璃の曲節を加えた唄浄瑠璃(例《吉原雀(よしわらすずめ)》《安宅松(あたかのまつ)》)が創始されたり,大薩摩節(おおざつまぶし)との掛合(《鞭桜宇佐幣(むちざくらうさのみてぐら)》)も開始されて,長唄に新機軸を生みだした。また,この時期には9代目市村羽左衛門など立役(男役)にも舞踊の名手が現れ,舞踊は女形の独占芸という慣行が打破された結果,男性的な曲も生まれた。…

【富士田吉次(富士田吉治)】より

…天性の美声で好評を博し,彼の長唄を聞くために観客が集まり,〈見物を呼ぶ唄うたひ古今稀れのものなり〉といわれた。三味線方の初世杵屋(きねや)忠次郎,2世杵屋六三郎,初世杵屋作十郎,初世藤間勘左衛門らと組んで《鷺娘》《娘七種(むすめななくさ)》《吉原雀》《安宅松(あたかのまつ)》などの名曲を残す。なお,実子の藤次郎は襲名せず,富士田千蔵を名のり初世となった。…

※「《安宅松》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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