《紙鳶》(読み)いかのぼり

世界大百科事典(旧版)内の《紙鳶》の言及

【糸竹大全】より

…《糸竹初心集》の類書。一節切(ひとよぎり)の尺八の書《紙鳶(いかのぼり)》,三味線の書《大ぬさ》,箏の書《知音(ちいん)の媒(なかだち)》の3書の合収。ただし,《知音の媒》は組歌の注釈書で,これを欠く版が多い。…

【一節切】より

…17世紀初葉には宗左流から出た大森宗勲(1570‐1625)が多くの譜書を著して宗勲流として普及し,17世紀後半にはその門流の指田一音の指田流が栄えた。また中村宗三著《糸竹初心集》(1664),村田宗清著《洞簫曲(どうしようのきよく)》(1669),著者不明《紙鳶(いかのぼり)》(1687,《糸竹大全》に収められている)の3種の入門独習書の出版が見られ,当時の一節切の流行を物語っている。それらを見ると,17世紀前半までの一節切の音楽は独奏曲(これを〈手〉という)が主体であったが,17世紀後半には流行歌(はやりうた)・踊り歌の伴奏や箏・三味線との合奏(これらを〈乱曲〉という)が盛んになったことがわかる。…

※「《紙鳶》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」