《黒ん坊たち》(読み)くろんぼうたち

世界大百科事典(旧版)内の《黒ん坊たち》の言及

【ジュネ】より

…この中でのサルトルの精密で膨大な分析によって一種の〈空白状態〉に陥り,〈物を書くことができなくなった〉ジュネは,54年,《女中たち》の再演に際して書いた〈ジャン・ジャック・ポーベールあての手紙〉で語っているように,演劇によって作家としての再生を果たすことができた。《女中たち》と相前後して書かれたと思われる《死刑囚の監視》(1949)を除けば,三大戯曲《バルコン》(初稿1956,改稿1960,上演用台本1962),《黒ん坊たち》(1958),《屛風》(1961)はいずれもこの時期以降のものである。 小説が,〈こそ泥〉であり〈受動的男色家〉であったジュネの,異常な体験に基づく異形な美のいわば〈反・世界〉の構築であったのに対し,戯曲は,そのような〈反・世界〉を成立させている〈幻惑者〉と〈被幻惑者〉の劇の〈関係構造〉そのものを,社会の深層をつき動かす個人的・集団的〈幻想〉の劇へとつなげたものであった。…

※「《黒ん坊たち》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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