アンドリュース,J.(読み)あんどりゅーす

世界大百科事典(旧版)内のアンドリュース,J.の言及

【スター】より

…また,50年代には独立製作会社の活躍が目だち,各社がスターに高給を支払う余裕がなくなり,多くのスターが契約を解除された。60年代になってスターの時代は終わったといわれ,《メリー・ポピンズ》(1964)や《サウンド・オブ・ミュージック》(1965)の成功で,日常的,家庭的なイメージをもった,新しいタイプのスターの地位についたジュリー・アンドリュース主演の《スター!》(1968)の無残な失敗に象徴されるように,スターが映画を支える力を失う一方で,《卒業》(1968)や《2001年宇宙の旅》(1968)のようなスターなしで成功する新しい映画がつくられ,69年,カリフォルニアのバンク・オブ・アメリカの最高幹部は,スターはもはや映画製作になんの保証もあたえないと声明するに至った。 70年代になって,バーブラ・ストライサンド,ロバート・レッドフォードなど数少ないスターが興行成績を保証するといわれたが,《アメリカン・グラフィティ》(1973),《エクソシスト》(1973),《ジョーズ》(1975),《スター・ウォーズ》(1977)などはスターなしで記録的に成功し,ボストン・ファースト・ナショナル・バンクの副社長は,観客をよびよせるのはスターではないと断言した。…

【ミュージカル映画】より

…そのなかから,例外的に大ヒットした《ウェスト・サイド物語》(1961)が,ブロードウェー・ミュージカルの大型映画化ブームを呼ぶことになるが,ナタリー・ウッド主演の《ジプシー》(1962)やオードリー・ヘップバーン主演の《マイ・フェア・レディ》(1964)は,歌や踊りとは縁のないスターを起用して,歌はプロの歌手の歌をダビングし,踊りはプロのダンサーが代わって踊るという,ステージのオリジナルの迫力と魅力をまったく欠くミュージカル映画であった。そのなかでは,《メリー・ポピンズ》(1964)につづく,本格的に歌って踊れるジュリー・アンドリュースJulie Andrews(1935‐ )主演のブロードウェー・ミュージカルの70ミリ映画化《サウンド・オブ・ミュージック》(1965)が,業界で〈サウンド・オブ・マネー〉と呼ばれたほどの記録的ヒットを飛ばしたが,ミュージカル映画というよりは家族向きの〈音楽映画〉と呼ぶべき作品で,本来のミュージカル映画というジャンルに寄与するところは少なく,むしろ無策なハリウッドに悪影響を残したともいわれる。ワーナー・ブラザース=セブン・アーツの《キャメロット》(1967),20世紀フォックスの《ドリトル先生不思議な旅》(1967),コロムビアの《ファニー・ガール》(1968),MGMの《チップス先生さようなら》(1969),パラマウントの《ペンチャー・ワゴン》(1969)など,《サウンド・オブ・ミュージック》の成功に追随しようとした〈大作〉はいずれも失敗し,各社に損害を与えた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」