インキョムスメ(隠居娘)(読み)いんきょむすめ

世界大百科事典(旧版)内のインキョムスメ(隠居娘)の言及

【隠居】より

…煩雑な社会を逃れて山野に隠棲すること,官位を捨て家督を次代に譲って社会生活から遠ざかることを意味する。平安時代の貴族社会にあって隠居は退官を意味したが,武家社会では家督相続など家のあり方をあらわす重要な慣行となった。江戸時代の武家社会では,隠居と家督相続が同時に行われるのが普通である。隠居の契機は相続人の婚姻や,隠居人の年齢的肉体的諸条件による場合が多い。また江戸時代では公家・武家の不行跡者にたいする刑罰の一種で,不行跡者を現在の地位から強制的に退隠させ,法体させた場合も隠居と称されている。…

【孫】より

…親夫婦と子ども夫婦が同一家族であっても別々の生活単位を形成する隠居型家族においてとくにこの傾向が強く見られる。この場合隠居屋の祖父母に育てられた孫たちのことをインキョムスメ,インキョムスコといい,これらの孫たちは甘く育てられることから,結婚にあたっては〈インキョムスメは300円安い〉といわれた。しかしながらこの孫たちは隠居(いんきよ)制によってある程度分離した親夫婦と子ども夫婦の統合をはかる重要な存在である。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」