ウェッブ,B.(読み)うぇっぶ

世界大百科事典(旧版)内のウェッブ,B.の言及

【産業民主主義】より


[内容の歴史的変化]
 その内容は,社会思想上の立場によってさまざまに理解されており,歴史的にも変化している。イギリスのウェッブ夫妻(S.ウェッブ)が労働組合の構造や機能を研究した著書の標題に用いたことから産業民主主義という言葉は普及したが,この著書では,産業民主主義の内容として労働組合の民主主義的運営と団体交渉の当事者としての機能を確保することが強調されている。この考え方は,資本主義社会での階級関係を前提に,その枠内で労働者に一定の発言権を認めるものとして,現在も労使関係の基本的な考え方として継承されている。…

【社会保障】より

…とくに資本主義経済が成熟し,イギリス経済が繁栄の頂点に達した19世紀の後半には,周期的な恐慌によって貧困者が増大するようになり,貧困の発生を個人的要因から社会的要因に求めようという考え方も強くなった。貧困の社会的性格と貧困原因の多様性を重視し,救貧法思想の改宗に決定的な役割を演じたのは,イギリスの〈救貧法および失業救済に関する王立委員会Royal Commission on the Poor Law and Relief of Distress〉での少数派報告(1909)であり,ウェッブBeatrice Webb(1858‐1943)がその中心的存在であった。(〈S.J.ウェッブ〉の項参照)彼女らは救貧法とそれを支えてきた行政組織の解体を提案し,貧困者への抑圧に代えて貧困予防の重要性を強調した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」