カナンバレ(読み)かなんばれ

世界大百科事典(旧版)内のカナンバレの言及

【流しびな(流し雛)】より

…雛祭の人形は,それで身をなでて穢れをはらったあと流し去る人形(ひとがた)(形代(かたしろ))という呪具の系統をひくものとされるが,現在の各地に残る流し雛はそのような古い心意を伝える行事と思われる。鳥取県の流し雛の多くは,雛壇に飾った2組の雛のうち1組を神棚に供え,残りを夕方に桟俵(さんだわら)にのせて流すものであり,長野県南佐久郡白岩では〈カナンバレ〉といって,子どもが河原で煮炊きして雛にも供え皆でも食べたあと,古雛を桟俵にのせて流し去る。また川に流すのではないが,静岡県小笠郡小谷田では,神社の近くの〈ヒナヤマ〉へ行って食事をして遊んだあと,不用の古雛に海を見せてからそこに納めるといい,群馬県多野郡には,雛祭後に病人が出ると雛に身代りになってもらおうとして,病気を捨てるために神社や桑畑に送り出す所がある。…

※「カナンバレ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」