キューブリック,S.(読み)きゅーぶりっく

世界大百科事典(旧版)内のキューブリック,S.の言及

【イギリス映画】より

…さらにこうした〈亡命者のイギリス映画〉は,R.ポランスキー監督《反撥》(1964),《袋小路》(1966),J.スコリモフスキー監督《ジェラールの冒険》(1969),《早春》(1970)など〈ポーランド派〉の亡命監督たちの〈イギリス映画〉にまで広がって,一種の〈無国籍映画〉の系譜を形づくっている。60年代に入るとアメリカ人のプロデューサー,H.サルツマンとA.ブロッコリが,イギリス伝統のスパイ小説(イアン・フレミング原作)から〈007〉シリーズを作り(またサルツマンは,レン・デートン原作による《国際諜報局》(1965)など〈ハリー・パーマー〉シリーズも製作),さらにS.キューブリックがイギリスで製作・監督した〈ハリウッド映画〉,《2001年宇宙の旅》(1968),《時計じかけのオレンジ》(1971),《バリー・リンドン》(1975)などを経て,70年代後半から80年代にかけては,ロシア人やイタリア人のプロデューサーによるアメリカン・コミックや,SFのヒーローの復活をイギリスの撮影所で撮った〈スター・ウォーズ〉シリーズ,〈スーパーマン〉シリーズ,《フラッシュ・ゴードン》などが作られるといったぐあいに,アメリカ映画をイギリスで作ることがひとつの大きな流れになっている。(3)イギリス映画の最初の黄金時代,すなわち国際的成功を築いたプロデューサーは,ハンガリーからハリウッドを経てイギリスに進出してきたアレクサンダー・コルダであった。…

【SF映画】より


[スペース・ファンタジーの誕生]
 1968年,20世紀フォックス社の《猿の惑星》と,MGMの《2001年宇宙の旅》によって,SF映画は新しい歴史の幕をあける。SFファンだけでなく,タイム・パラドックスを扱ったハードなSFながら一般のおとなや子どもにも人気を博し,通算5本のシリーズになるほどの大ヒット作となった《猿の惑星》によって,SF映画は興行的信用を獲得し,またSF作家A.C.クラークの脚本と,NASA(ナサ)の全面的協力による最新のテクノロジーを映像技術に導入した,スタンリー・キューブリック監督の70ミリ超大作《2001年宇宙の旅》は,SF映画として初めて世界的にベストテン映画としてランクされるという〈芸術的〉評価を得た。この作品のクライマックスのサイケデリック効果は,それに続く,人類の進歩,生と死,生命の永遠性をシンボライズした〈哲学的〉部分を難解とする観客にさえも,理解を超えた異次元を有無をいわせず疑似体験させるという意味で,1895年にH.G.ウェルズの催した幻覚ショー以来の斬新な映像の実験といえる。…

【2001年宇宙の旅】より

…スタンリー・キューブリック(1928‐ )製作・監督のアメリカ資本(MGM)によるイギリス映画。1968年製作。…

※「キューブリック,S.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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