クラウスラ(読み)くらうすら

世界大百科事典(旧版)内のクラウスラの言及

【ノートル・ダム楽派】より

…その後継者にあたるペロタンPérotin(ペロティヌスPerotinus)はこの曲集を改訂して,数多くの3声ないしは4声のオルガヌムを残した。さらにペロタンとその後継者たちはオルガヌムの一部を独立させて書き換えたクラウスラ,それに新しい歌詞を付け加えたモテトゥス(後年のモテット),行列歌として知られるコンドゥクトゥスなどを作曲しているが,いずれも3拍子を基本とした独特のリズムをもっている点で共通した特徴を示している。【金沢 正剛】。…

【モテット】より

…オルガヌムとはグレゴリオ聖歌の旋律に対して別の旋律を付け加える作曲技法を総称し,9世紀半ばころに始まった最初の形はなお稚拙であった。しかし,12世紀末から13世紀にかけてパリのノートル・ダム楽派の時代に入ると,グレゴリオ聖歌の旋律の一部分を拡大したものを定旋律とし,その上に装飾的旋律を重ねる技法が用いられるようになり,これをクラウスラclausula(ラテン語)と呼んだ。クラウスラにおける装飾的な対位旋律は,母韻唱法によることが多かったが,歌いやすくするために,それに独立した宗教的歌詞をシラビックに当てはめることも行われた。…

※「クラウスラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」