トマス,W.I.(読み)とます

世界大百科事典(旧版)内のトマス,W.I.の言及

【社会心理学】より

… 20世紀のアメリカでは,経験的方法の土台の上で心理学的傾向の強い研究が隆盛をみる。その先駆としては,コミュニケーションや相互作用を重視して自我の形成を論じたC.H.クーリーやG.H.ミード,ポーランドからの移民の実証研究にもとづいて価値,態度(ことに状況規定)と社会行動とのかかわりに照明をあてたトマスW.I.ThomasとF.ズナニエツキらがあげられる。また本能論衰退後に盛んになる行動主義の説は,実験的研究を促進するほか,行動に及ぼされる後天的な習慣や環境要因の重要性に注意を喚起した。…

【ズナニエツキ】より

…ポズナン大学で社会学教授となるが,ナチスの圧迫を避けてアメリカに渡ってイリノイ大学教授となり,ヨーロッパ社会学のアメリカへの導入に貢献した。著書には機能主義の立場に立った《社会学方法論》(1934)などがあるが,最も有名なものは,アメリカの社会学者トマスWilliam I.Thomas(1863‐1947)と協力して行った,アメリカに移住したポーランド農民の適応に関する研究であり,トマスとの共著《ヨーロッパとアメリカにおけるポーランド農民The Polish Peasant in Europe and America》(1918‐20)にまとめられた。この研究で個人の生活史を中心とした個人的な記録の分析に力を注ぎ,これを通じて社会調査を主体とする実証的な社会学を発展させたと評価されている。…

【都市社会学】より

…都市生活の実態をふまえて,都市,都市の地域・地区,都市圏の現状,動態,変貌を解明しようとする特殊社会学の一分野。都市社会学の研究は,1920年代にアメリカで当初は人間生態学の観点から行われ,C.ブースの《ロンドン民衆の生活と労働》(全17巻,1902‐03),トマスWilliam I.Thomas(1863‐1947)とF.W.ズナニエツキーの共著《ヨーロッパおよびアメリカにおけるポーランド農民》(1918‐20),シカゴ学派のR.E.パーク,E.W.バージェス,R.D.マッケンジーによる共著《都市》(1925)が注目される。都市研究の観点と方向とを理論的に明らかにした《都市》は,その後の都市社会学研究の出発点となった。…

※「トマス,W.I.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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