トリオレ,E.(読み)とりおれ

世界大百科事典(旧版)内のトリオレ,E.の言及

【レジスタンス文学】より

… 非合法雑誌を代表するのは〈全国作家委員会〉の機関紙としてドクールJacques Decour(1910‐42),ポーランの手で42年9月創刊された《レットル・フランセーズ》であり,その他《ポエジー40》(年とともに41,42…と改称),エリュアールを中心とする《レテルネル・ルビュ》誌などがあったが,アルジェで刊行された《フォンテーヌ》誌,A.ベガンがスイスで出しはじめて50点を数えた〈カイエ・デュ・ローヌ叢書〉の果たした役割も見落としえない。また42年8月ベルコールVercors(1902‐91)の《海の沈黙》の刊行により開始された,ベルコール,レスキュールPierre de Lescure(1891‐1963),ポーランの〈深夜叢書〉は,アラゴン,F.モーリヤック,トリオレElsa Triolet(1896‐1970),カスーJean Cassou(1897‐1986),バンダ,ゲーノ,ジッドらの作品を作者を匿名として44冊世に送った。このようにして作家も出版者も一身の安全を犠牲にして活字とした作品は,いずれもドイツの抑圧への抵抗と人間の普遍的価値の擁護をそれぞれの政治的・思想的立場をこえて訴えるものであって,大革命以来のフランス精神の伝統的姿を伝え感動的である。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」