世界大百科事典(旧版)内のドロンド,J.の言及
【顕微鏡】より
…とくにレンズ系には収差の大きいものが用いられていたために有効な利用には限界があり,そのために,新発見の継続的な蓄積はなされず,17世紀から18世紀にかけて,顕微鏡観察での新しい発展は低迷していた。 しかし顕微鏡への期待は大きく,18世紀に入ってドイツのL.オイラー,イギリスのドロンドJ.Dollondらは,異種のガラスで作ったレンズを組み合わせることによって色収差を除く可能性があることを発見した。これは直ちに成果を生むことにはつながらなかったが,光学ガラスの研究と改良に見通しが与えられ,18世紀末(1791)に至ってオランダのビールドスナイダーF.Beeldsnijderによって色収差なしの複合レンズをもった高倍率の顕微鏡が初めて作られた。…
【天体望遠鏡】より
…このようなわけで初期の望遠鏡は著しく長大で,その使用は非常に不便なものであった。 色収差の問題はホールC.M.Hall(1704‐71),ドロンドJ.Dollond(1706‐61)らが色消しレンズを発明したことによって実用上解決した。しかし屈折望遠鏡の場合,光がレンズの中を通るので,レンズ用ガラス材には均質なものが要求され,また大口径レンズではレンズ厚も大きく,そのためレンズ内での光の吸収も無視できなくなる。…
※「ドロンド,J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」