ニウェンアプカシ(読み)にうぇんあぷかし

世界大百科事典(旧版)内のニウェンアプカシの言及

【アイヌ】より

…【谷本 一之】
【舞踊】
 アイヌの舞踊には,本来は魔を威嚇するための呪術的行進からでた体操的なものと,もと祭りのときに巫者が神に扮して演じた仮装舞踊劇からでた模擬的なものとがある。(1)ニウェンアプカシniwen‐apkas(荒い歩行) 村に異変が起こったとき,部落の長老を先頭に,男は太刀を抜きつらね,太い声で〈フオー・フム! フオー・フム!〉と叫び,女はその後につづいて杖をふりかざし,細くかん高い声で〈ホーイ! ホーイ!〉と叫びながら1列縦隊になって,魔を威嚇するため一歩一歩強く大地を踏みしめていく呪術的な踏舞行進である。(2)タプカルtapkar(踏舞) 酒宴の席上,興ようやくたけなわになるにおよんで,一座の長老たちがこもごも立って演じる所作で,両手を左右にのばし,てのひらを上に向けてひじを少し曲げ,それを静かに上下するとともに,一歩一歩力足を踏みしめながら斜め横に数歩進んで,再び同じ動作を繰り返しながら,もとの位置に復するものである。…

※「ニウェンアプカシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」