世界大百科事典(旧版)内のニューグレンジ巨石墳の言及
【アイルランド美術】より
…アイルランドの顕著な美術活動は,ヨーロッパ大陸大西洋岸およびブリテン島の巨石文化と相通ずる新石器時代の巨石墳をもって始まる。中でもニューグレンジNewgrangeのそれは豊富な幾何学文装飾のゆえに名高い。青銅器時代に入り,その抽象表現は,金属という展延性をもつ素材によって大いに発達するが,その高度な開花をみたのはケルト人と共に到来した鉄器文化の時代であった。ローマ帝国の進出と共に大陸やブリテン島のケルト人がローマ化したのに対し,ローマ征服を免れたアイルランドのケルト人は,黄金やエマイユ(七宝)の色彩への興味とその抽象的造形本能とを保持し,いっそう展開させた。…
※「ニューグレンジ巨石墳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」