世界大百科事典(旧版)内の中村吉右衛門(初世)の言及
【蔦紅葉宇都谷峠】より
…名人小団次と黙阿弥という幕末歌舞伎を代表するコンビは,この一作によって確立された。近代では6世尾上菊五郎の文弥,仁三の二役と初世中村吉右衛門の十兵衛が好評。早替りと殺し場が際立つため小芝居向きとして軽視されがちだったが,じつは義理と因果にあえぐ人物を活写した重厚な作。…
【八幡祭小望月賑】より
…しかし原作の〈噓から出た誠〉の諺どおりの新助の恋,美代吉の切ない愛想づかし,そして妖刀村正の魔力で逆上した新助が美代吉はじめ多くの人々を殺し,恋人が実妹と知り自滅するまでのキメこまやかなプロセスと歌舞伎味の濃さは本作が勝る。初世中村吉右衛門は新助を名演し,近代味を加えた。【落合 清彦】。…
※「中村吉右衛門(初世)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」