屈折(言語)(読み)くっせつ

世界大百科事典(旧版)内の屈折(言語)の言及

【屈折語】より

…言語の類型論的分類の一つである,形態論的観点からの分類に基づくタイプの一つ。屈折とは,動詞や名詞などが文中での機能にしたがって異なるすがたを見せる,いわゆる活用や曲用のことである。したがって,この点からすれば,膠着語も屈折を行うわけであり,逆に屈折語においても語構造が語根と接辞からなるという点では膠着語と同じである。…

【言語】より

…ある品詞に属する単語が,意味のちがいを伴って(あるいは,伴わずに)そのあらわれる位置によってその語形の一部を,その品詞に特有の形で交替させることがある。これを〈屈折〉(〈活用〉〈曲用〉などという術語も用いられる)と呼ぶ。屈折には,語形のある部分を1個所,かつ,それを全体として交替させるというものと,ある部分に交替しうる複数の要素が並んでいるもの,2個所以上で交替を示すものなどがある。…

【言語学】より

…また,一つの範疇の中にいくつかの下位範疇が認められる場合もよくある。ある範疇に属する単語は,その範疇特有の屈折(つまり,音形の一部がそのあらわれる位置によって交替する現象)を示すことがあるので,各範疇ごとの屈折の状態と性格を解明する必要がある。このように,単語に関係する研究分野は,従来,〈形態論〉と呼ばれてきた。…

【日本語】より

…日本語では,修飾部分がいくら長くても,必ず被修飾語に前置され,また英語などのような関係代名詞がないから,聴き取りながら理解するという面からいうとむつかしいといわれる。主語・述語
[述語の活用]
 語がその語彙的同一性を保ちつつ,文中での使い方によって規則的に形を変えることを活用(屈折)という。世界の言語の中には,活用という現象のあるものとないものがあるが,日本語はある方に属する。…

【品詞】より


【品詞の諸性質】
 (1)多くの言語においては,ある単語がその現れる個所によって,意味の,ある種の変異を伴いつつ,あるいは,伴わずにその語形(の一部)を交替させることがある。いわゆる屈折(活用,曲用)であるが,二つの屈折を示す単語において,その屈折の性格(屈折によって変異する部分の音形のことではなく,屈折全体の性格)が一致するならば同一品詞に属する(あるいは,少なくとも,近い関係にある二つの品詞に属する)といえるし,その屈折の性格の異なる二つの単語あるいは屈折を示す単語と示さない単語は別の品詞(あるいは,少なくとも異なる下位範疇(後述))に属するといえる。なぜならば,これこれこういうものを表すからといってこういう性格の屈折を有しなければならない理由などなく,したがって,屈折の性格(有無を含む)の共通性や差異は,表すものの性格上の共通性や差異によっては説明しきれるわけのものではないから,その言語の品詞分類と密接な関係を有するといえるのである。…

※「屈折(言語)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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