氷様奏(読み)ひのためしのそう

世界大百科事典(旧版)内の氷様奏の言及

【氷】より

…律令制下では政府管掌の氷室が置かれ,その氷は宮廷内での飲用と冷蔵用にあてられた。また,毎年正月元日には〈氷様奏(ひのためしのそう)〉といって,その冬収納した氷の厚薄を奏聞する儀式が行われていた。清少納言が《枕草子》の中で,〈削り氷にあまづら(甘葛)入れて,あたらしき金鋺(かなまり)に入れたる〉と,いまでいえば砂糖のシロップをかけただけの“みぞれ”などと呼ぶかき氷に近いものを,高貴で優美なものとして〈あてなるもの〉の一つに数えているのも,氷がきわめて貴重なものだったことを物語る。…

※「氷様奏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」