火の飯(読み)ひのめし

世界大百科事典(旧版)内の火の飯の言及

【香奠(香典)】より

…これは会葬者の食事に供される。壱岐では死者の血族が米1升を持ち寄り〈火の飯〉と称して別火の食事をするが,本来香奠とはこうした忌のかかる親族が死者やその家族と共同飲食するために持参する食料ではなかったかといわれている。それが忌の観念の変化から一般弔問者も喪家で食事をとるようになり,中には煙絶ち,鍋止めと称し全村が共食するところもあるが,葬儀が盛大になるにつれて近親者による多量の香奠も生まれ,また葬費を分担する意味をもつに至ったものと説かれている。…

※「火の飯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」