世界大百科事典(旧版)内の灯炉供御人の言及
【鋳物師】より
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[中世鋳物師組織の成立]
10世紀以後,内匠寮などの鋳物師は蔵人所に統轄されるようになったと推定され,1079年(承暦3),殿上の鉄灯炉を調進する蔵人所鋳物師が現れる。そして1165年(永万1),蔵人所小舎人惟宗兼宗が年預となり,河内国日置荘(狭山郷)の鋳物師を番頭とし,諸国散在の鋳物師に短冊をくばってこれを番に編成,天皇に灯炉などの課役を調進する蔵人所灯炉以下鉄器物供御人(くごにん)(通称,灯炉供御人)が成立する。つづいて1168年(仁安3),河内,和泉,伊賀の辺で活動する広階姓鋳物師を惣官とし,おそらく蔵人所小舎人紀氏を年預とした別の灯炉供御人が組織される。…
【由緒書】より
…備前国岡山の《池田家履歴略記》,出雲国松江松平家の《烈士録》,豪商の《三年寄由緒》,長崎貿易に関する《糸割符(いとわつぷ)由緒書》など,事例が少なくない。【金井 円】
[職人の由緒書]
平安時代末期から鎌倉時代にかけて,鋳物師(いもじ)(灯炉供御人(くごにん)),生魚商人(津江・粟津橋本御厨(みくりや)供御人など),地黄煎売(じおうせんうり)(地黄御薗(みその)供御人)など各種の供御人は,その特権の保証されたときの時期と天皇を訴訟などの際に強調し,その系譜の確かなことを誇っているが,これは事実であることが多い。しかし室町時代以後,この特権を保証していた天皇の実質的な力が弱化するとともに,この由来はしだいに伝説化し,不正確になり,正確な文書にも〈天照大神〉〈神武御門(みかど)〉などが登場するとともに,こうした伝説に基づく由緒書が書かれ,偽文書(ぎもんじよ)が作成されるようになってくる。…
※「灯炉供御人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」