荻江露友(初世)(読み)おぎえろゆう

世界大百科事典(旧版)内の荻江露友(初世)の言及

【荻江節】より

…三味線音楽の一種目。初世荻江露友(ろゆう)は長唄のうたい手だったが,1768年(明和5)に引退,吉原の遊郭で座敷歌風な長唄を創始(《水仙丹前》《百夜車(ももよぐるま)》など),荻江節の開祖となった。また〈めりやす〉の影響が強い作品(《稲舟(いなぶね)》《小町》《喜撰》など)もある。…

【金谷丹前】より

…丹前とは伊達(だて)風俗を表した語で,丹前男が傾城(けいせい)のもとへ通う筋であるが,思う女を寝取られた男の淋しさ,迷いとほのかな嫉妬を含んだ曲である。初世荻江露友がこの曲の繊細な旋律にひかれ,自流に移し,今日では先行長唄より荻江節の代表曲となっている。地唄舞風のしっとりした振りがつけられている。…

【長唄】より

…前述の《安宅松》《鞭桜宇佐幣》はその例である。この期の唄方には初世富士田吉次のほか,のちに遊里に進出して荻江風(おぎえふう)長唄(のちの荻江節)を創始した初世荻江露友,そのほか初世坂田仙四郎,初世湖出市十郎,三味線方に錦屋総治,西川億蔵,初世杵屋作十郎,2世杵屋六三郎,囃子方に宇野長七,3世田中伝左衛門などがいる。 安永・寛政期(1772‐1801)は長唄が上方依存から江戸趣味へと転向し,内容本位の唄浄瑠璃風の長唄から拍子本位の舞踊曲へと移行する,いわば過渡期であり,《二人椀久(ににんわんきゆう)》《蜘蛛拍子舞(くものひようしまい)》がその代表曲であった。…

※「荻江露友(初世)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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