華夷秩序(読み)かいちつじょ

世界大百科事典(旧版)内の華夷秩序の言及

【和人地】より

…和人地以北の地を〈蝦夷地〉(千島・樺太島の一部を含む)と称し,アイヌ民族の居住地とした。こうした地域区分体制は,直接的には松前氏のアイヌ交易独占を実現する方策として成立したものであったが,同時に,幕府(長崎)―オランダ・中国,島津氏(薩摩藩)―琉球,宗氏(対馬藩)―朝鮮,松前氏(松前藩)―蝦夷地(アイヌ民族)という鎖国体制下の〈四つの口〉を介した異域・異国との外交・通交関係を軸とした日本型華夷秩序の一環として位置づけられていたところに大きな特徴がある。したがって近世にあっては,和人地までが幕藩制国家の領域,蝦夷地は異域・化外の地という性格を与えられていたことになるが,松前氏には石高がなかったことから,和人地内の村には村高がなかった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」