華角貼(読み)かかくばり

世界大百科事典(旧版)内の華角貼の言及

【漆工芸】より

…これには鉢,盤,盒子(ごうし)など器物をかなり大ぶりにつくったものがみられ,この種の漆器がますます民衆の生活に即した日常用品として深く浸透していたことが知られる。いま一つ,特記されるものに華角(かかく)貼がある。牛や水牛の角(古くは馬の爪も用いた)を煮沸して柔らかくし,薄く切って長方形の板状にしたのちに,文様を彩色であらわして器体に貼りつけたものである。…

【鼈甲】より

…ウミガメの一種タイマイ(玳瑁)の甲羅をいい,木工芸などの加飾材に古くから用いられ,装身具としても加工される。主成分は角質(炭素55%,酸素20%,窒素16%,硫黄2%)で半透明,樹脂ようの光沢があり,モース硬度はほぼ2.5,比重1.29,屈折率1.55。べっこうは多く屋根瓦状に積み重なっているが,タイマイ以外のウミガメは重なりのない石垣状で〈和甲〉と呼ばれ,べっこうの代用にされる。べっこうは色と黒の斑(ふ)の有無により白甲(しろこう),あめ甲,黒甲,斑甲(ばらふ)に分類される。…

【李朝美術】より

…高麗螺鈿のように器面全体を細かな文様で埋め尽くすものとは対照的に,李朝螺鈿は厚貝を使用し,後期の青花磁器の文様に似て,地を大きくとりそこに蓮池水禽(れんちすいきん)や葡萄といった絵画的な模様,四君子(しくんし)などの文人好みの文様,あるいは十長生などの吉祥文様をおおらかに配している。この他,李朝独特の工芸として華角貼(かかくばり)がある。これは薄く削った牛の角の裏面に透けて見えるように原色で文様を描き,木製の器面にはり付けたもので,簞笥(たんす),鏡台,ものさし,糸巻きなど主に女性用の品々に用いられた。…

※「華角貼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」