蜘蛛合戦(読み)くもがっせん

世界大百科事典(旧版)内の蜘蛛合戦の言及

【クモ(蜘蛛)】より

…下がりグモがあれば来客があるとか,朝グモの巣づくりは晴天の兆しとかいわれたが,朝グモを福グモと見て喜び,夜グモを〈盗人の先走り〉といって忌みきらい,これを〈親に似ていても殺せ〉とする例は全国的である。またクモどうしを戦わせる〈蜘蛛合戦〉によって漁の豊凶を占う習俗もある。こうした例は,クモに一種の霊力を認めていたからにほかならない。…

【コガネグモ(黄金蜘蛛)】より

…このように,周囲の状況によって卵囊の形と色を変える能力をもっている。鹿児島県加治木町には,400年前から今日まで,陰暦端午(たんご)の節句(最近ではもっとも近い日曜日)にこの雌を使って蜘蛛(くも)合戦を行ってきた。この行事の起りは,武士の意気を鼓舞するのが目的といわれているが,現在では町ぐるみの一大行事となって,当日は日本各地からの見物客でにぎわう。…

【端午】より

…鳥取県岩美町田河内では,子供が各家の屋根に挿してある菖蒲を集め,それに藁を加えて菖蒲綱という大綱を作って持ち歩いた後,二手に分かれて綱引きをしたという。また,瀬戸内や九州の沿岸部では競漕(ペーロン)をする所があり,鹿児島県大隅半島には蜘蛛(くも)合戦をする所がある。印地打をはじめ各種の競争は,この日を男児の節供として強く印象づけるものであった。…

※「蜘蛛合戦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」