金糸全越(読み)きんしまるこし

世界大百科事典(旧版)内の金糸全越の言及

【金襴】より

…地合は平地,綾地,繻子地のものがあり,金糸の織入れ方も地緯一越おきに入れた全越(まるこし),地緯2本ごとに金糸を入れた半越,また金糸の押さえを地絡(じがらみ)としたもの,別に絡み経を仕たてて別絡(べつがらみ)としたものなどがある。一般には綾地に金糸全越・地絡としたものに古様な作風を示すものが多く,これに対し繻子地に金糸半越・別絡としたものは明代中期以降の華やかな金襴に多く見られる。日本で金襴が織り始められた時期は明らかでないが,《耶蘇会士日本通信》の1565年(永禄8)4月27日付のルイス・フロイスの書簡中には〈パードレは当地方産の金襴の祭服を着けてミサを始めた〉とあり,16世紀中葉には京都で,金糸を使った織物が製織されていたことになる。…

※「金糸全越」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android