飛驒一刀彫(読み)ひだいっとうぼり

世界大百科事典(旧版)内の飛驒一刀彫の言及

【一刀彫】より

…小刀の粗い刀痕を残し,その単純明快な面を生かして完成させる木彫技法,およびその作品をいう。普通はこの技法の特徴をよく示す奈良人形を一刀彫と呼び,飛驒の一位彫(いちいぼり)も〈飛驒の一刀彫〉と呼ぶ。奈良人形は江戸時代初期,岡野平右衛門(松寿)が春日大社の祭礼に用いる人形の彫物をもとに始めたといわれる。題材を多く能,狂言にとり,彩色を施して仕上げた小人形で,荒削りの力強い表現に特色がある。江戸末期に森川杜園(1820‐94)が出て,好んで動物を彫り,名人といわれ,奈良特産の木彫工芸としてさらに広く知られるようになった。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」