世界大百科事典(旧版)内のḥukūmaの言及
【イスラム】より
…もちろんダウラは支配権を担うカリフ一族や王家を中心とする概念であって,いわゆる〈国家〉そのものには該当しない。王権の支配領域に着目すれば,マムラカmamlaka(王国)の語もよく用いられ,また政府や統治機関を意味するウィラーヤwilāya(オスマン朝ではフクーマḥukūma)も使用されたが,これらはいずれもイスラム国家の一つの側面を示す用語にすぎなかった。このように国家そのものを表す固有の用語がイスラム世界に存在しなかったのは,ムスリムにとってイスラム国家の本質がカリフの権威を誓約(バイア)によって認める個々のムスリムの集合体,つまりウンマあるいはジャマーアとして意識されていたからにほかならない。…
※「ḥukūma」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」