《けしずみ》(読み)けしずみ

世界大百科事典(旧版)内の《けしずみ》の言及

【好色文学】より

…すなわち俳諧では山崎宗鑑の《犬筑波(いぬつくば)集》あたりに滑稽と好色の豪快な混合を見るべく,近世初期の《きのふはけふのものがたり》《醒睡笑(せいすいしよう)》などには,どこの国にもある小話風のユーモラスな好色性を見うる。やや長い作品としては延宝の版行になる《たきつけ草》《もえくゐ》《けしずみ》の3巻が色道の粋を説き,狭斜の教科書的な存在として,狭義の好色本の初めをなす。しかし描写はかならずしも猥雑ではない。…

【たきつけ・もえくゐ・けしずみ】より

…1677年(延宝5)刊。《たきつけ》は島原帰りに丹波口付近で道連れになった60歳余りの老人と30歳前後の男との,女郎の誠の有無についての問答,《もえくゐ》は《たきつけ》の筆者に若者が(すい)について聞く,《けしずみ》は西の京のもと遊女の尼に遊女の手管(てくだ)などを聞く,という構成をとる。仮名草子の注目作の一つ。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」