世界大百科事典(旧版)内の《そして一言も言わなかった》の言及
【ベル】より
…短編集《旅人よ,もし至りなばスパ……》(1950)の諸作やオムニバス仕立ての長編《どこにいたのだ,アダム?》(1951)などがそれである。51年に〈47年グループ〉の賞を受け,さらに,経済復興期の社会の内的疾患を鋭くえぐる《そして一言も言わなかった》(1953)がドイツ内外に好評で,文名を確立した。その後も,戦後のドイツ市民の生き方の道義的基盤を,その戦前戦中の行動への自己批判に求めようとする姿勢から,作品構成にも実験的意欲を見せた《九時半の玉突き》(1959),カトリック信徒の生態への批判が強い《道化の意見》(1963),戦時のロシア人俘虜を恋人にもった女性を主人公とする《婦人のいる群像》(1971)などの大作がつぎつぎに生まれる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」