世界大百科事典(旧版)内の《テトラビブロス》の言及
【占星術】より
…ヘレニズム文化,ローマ文化の中で占星術は一大隆盛期を迎える。プトレマイオスの《テトラビブロス(四書)》,マニリウスの《アストロノミコン(天文譜)》は現在に至っても原典としての価値を失わない。 アウグスティヌスの《神の国》にあるように,占星術を非合理的とするキリスト教会の弾圧によって,5世紀以降のヨーロッパでは姿を消すが,ネストリウス派キリスト教徒などの手によって古代占星術の伝統はイスラム世界に伝えられた。…
【プトレマイオス】より
…127‐141年にアレクサンドリアで天体観測をしていたという事実以外に,個人的情報はほとんど知られない。その主著《アルマゲスト》は地球中心体系に基づくもっとも精緻(せいち)な天文理論として,コペルニクス時代まで,古代,ビザンティン,イスラム,中世ヨーロッパの天文学の中心となったが,このほか,天文書としては,《アルマゲスト》のなかの計算用の数表だけをまとめた《簡易数表》,大部な《アルマゲスト》の縮冊版ともいうべき《惑星仮説》,あるいは占星術的内容をもった《テトラビブロス》(原題は〈占星術上の意味付け〉を意味するアポテレスマティカだが,4巻からなるので,テトラビブロス=四書と通称される)などのほか,地理学書としての《地理学入門》や音楽学・音響学書といえる《ハルモニア論》,純粋の数学書(例えば《ストイケイア論》)や光学(視覚学)に関する著作などがあったといわれる。これらの著作のすべてが今日に伝わるわけではないが,彼の関心がきわめて広く,一種の知的巨人であったことがこうしたリストからもわかるであろう。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」