《トロピスム》(読み)とろぴすむ

世界大百科事典(旧版)内の《トロピスム》の言及

【サロート】より

…ロシアに生まれ,幼時にフランスに移住,法律を学んで弁護士となった。心象スケッチ集《トロピスム》(1938)は無視されたが,サルトルが次の《見知らぬ男の肖像》(1948)に序文を寄せ,アンチ・ロマン(反小説)の出現を告げたため注目され,評論集《不信の時代》(1956)で性格,筋,心理などの伝統的概念を否定して,ロブ・グリエらとともにヌーボー・ロマン(新小説)の代表者と目された。《マルトロー》(1953)などの一見心理主義と見える作風は,中産階級の客間での浮薄なやりとりの風刺にすぎないようであるが,意識下の牽引,反発,接近願望,嫌悪などの交錯が,あたかも輪郭のおぼろな内面に懸濁し散乱する微粒子の不随意的な運動としてとらえられ,深部の実存のありようを形象化してみせている。…

※「《トロピスム》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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